帝暦211年。ブラチニアス大陸の北方の地カナヤステア領にてソーラリオン3世が独立自治区を制定。
流浪の民アルセスを迎え入れ、ソラニア共和国を建国。
王は民をよく想い、民もまた王を慕った。
穏やかな時が流れ、人々は安寧に浴した。
誰もが信じてやまなかった。この心安らかな日々が続くことを。
しかし、「時代の波」《ヒストリア》は必然、波乱《ハザード》を呼び寄せる。
平穏《ヒカリ》を犯せしは征服《ヤミ》の使者。
今、戦乱の火種《アロー》が放たれる・・・。
ソラニア暦5年の6月末、ブラチニアス大陸の東南に位置するスマカリティア大陸より紅き一団《グレンリューナ》襲来。
カナヤマステア領マサラニカ海岸地帯より上陸し侵攻を開始。
紅の民《グレンリューナ》が誇る侵攻精鋭軍ガブレーンドラ、ソラニア共和国三将軍が一人ワタゲニカ卿が率いる沿岸駐留軍と開戦。
ソラニア暦5年7月、『マサラニカの戦い』。
ガブレーンドラ軍がその圧倒的な機動性によりワタゲニカ沿岸駐留軍を圧倒。
戦乱の地を遊戯盤《ボード》に例えるなら、それはさながら駒取り合戦《チェスゲーム》。
ワタゲニカ沿岸駐留軍が辛くも1つの駒を刈り取れども、ガブレーンドラ軍は嘲笑うかのように6の駒を奪い去る。
6-1によりガブレーンドラは勝利の咆哮を上げ、ワタゲニカはそれを背に受け撤退。
ソラニア暦5年7月中旬、『トキワフォーレストの戦い』。
征服軍ガブレーンドラ、ソラニア共和国三将軍が一人ギャラド・スー卿の治めるカナヤマステア領トキワフォーレスト平原に到達。
ワタゲニカ卿の報告を受け、迎撃体勢を整えつつあったギャラド迎撃軍と開戦。
第一次戦闘、ガブレーンドラ軍が補給不良で出足が遅れていたギャラド迎撃軍に猛攻を仕掛け、獲得駒数《スコア》6-2にて勝利。
ギャラド迎撃軍、第二防衛線までの後退を余儀なくさせれる。
しかし、ギャラド迎撃軍の第二防衛ライン到達とともに補給・建直しが完了。
一夜明けて行われた第二次戦闘、絶え間ない進撃が疲労を呼び込み士気が低迷するガブレーンドラ軍に対し、ギャラド迎撃軍は高攻撃力による反抗戦を展開。
獲得駒数《スコア》4-6によりギャラド迎撃軍が勝利を納める。
これによりガブレーンドラ軍はトキワフォーレスト平原より撤退。
マサラニカまで駒を下げ、ソラニア共和国は束の間の平穏を手にした。
ソラニア暦5年8月、『ニビリアヌスの戦い』。
征服軍ガブレーンドラ、トキワフォーレストを迂回し古代都市ニビリアヌスに侵攻。
ニビリアヌスの背後にひかえるキツオーミ山脈を越えれば共和国首都ハナドリーニアが目と鼻の先という地勢から敗北は許されず、ソラニア側は三将軍が長ディアルガス率いる防衛主力部隊ガレディアを派遣。
しかしながら本国よりの補給を受け体勢を整えたガブレーンドラ軍もまた、その士気の高まりは留まることを知らず。
こと、ガブレーンドラ軍が筆頭アカギリート卿の勇躍は際立っていた。
紅き民《グレンリューナ》が崇める唯一神《エンテーイナス》の加護を一身に受けたかのように、アカギリート卿は誰をも寄せ付けず戦場を馳せる。
その姿、まさに破壊神《デストロイア》。
ソラニア共和国が誇る精鋭、その瞳《フェイト》に魅入られ牙《エッジ》にかかっていた。
獲得駒数《スコア》、6-3によりガブレーンドラ軍が勝利。
ガレディア軍、キツオーミ山脈への後退を余儀なくされる。
ソラニア暦5年8月中旬、『キツオーミ山脈の凶劇』。
防衛戦を下げつつあるガレディア軍本陣に夜半過ぎ、伝令が舞い込む。
ガブレーンドラ軍の侵攻ルート上に、原住民族ピッピス族の集落があり、ピッピス族に危険が及びつつあるとの知らせであった。
これを受けディアルガス卿はレント卿が率いる小隊の派遣を決断。
その主任務をピッピス族の避難援助とガブレーンドラ軍の足止めとした。
夜明け前、レント小隊、ピッピス族集落へと到達。
即座にピッピス族の避難を開始。
しかしながら、ピッピス族の避難完了を待たずガブレーンドラ軍到達。
ガブレーンドラ軍、ガブリス卿が率いる小隊を主力としてレント小隊及びピッピス族の殲滅戦を展開。
ピッピス族を庇い戦闘に集中できずにいるレント小隊を圧倒。結果、レント小隊全滅。
ピッピス族もまた壊滅的打撃を受ける。
獲得駒数《スコア》3-0により、ガブレーンドラ軍圧勝。
後に『キツオーミ山脈の凶劇』と呼ばれる出来事の顛末であった。
幕間。
『キツオーミ山脈の凶劇』の報を聞き、共和国首都ハナドリーニアの民は恐ろしさに打ち据えれつつあった。
「もう間もなく。あの山脈を越え、“怖ろしき征服軍”《シニガミ》がやってくる」
人々は、その運命に屈しつつあった。
しかし、その様な中でも諦めず、凛と咲きほこる乙女《ハナ》があった。
ソラニア共和国の長が一人娘、シローナ。
大公邸《カンファレンス》より彼女が人々に向けて投げかけた言葉は、運命に屈しつつあった人々に再び立ち上がる勇気を与えた。
「我ら、アルセスの民は、創造神の系譜を汲む民は、これほどまでにか弱き存在であったのでしょうか! アルセスの誇りは、異国の焔にまかれてしまう程度のものだったのでしょうか! ・・・私は知っています。アルセスの誇りは、何者にも負けない、至高のものであると・・・。 だから、私は最後まで諦めない!屈しない! 創造神アルセスの名に誓い、たとえ私一人になっても、アルセスの誇り《バラ》を掲げ続ける!」
少女の声《ヒカリ》は、人々の心を絶望《ヤミ》から解き放った。
そして・・・。
ソラニア暦5年9月、『ハナドリーニア決戦』。
征服軍ガブレーンドラ、共和国首都ハナドーリニアへと到達。
ガブレーンドラ軍の勢い、もはや天を衝くが如く。
ワタガニカ卿の率いる城砦防衛軍を獲得駒数《スコア》6-4で下し、さらに
ギャラド卿の市街防衛軍との三度にわたる戦闘も獲得駒数《スコア》1-0、1-0
、6-3で圧倒し共和国首都中枢部、大公邸《カンファレンス》へと到達。
ガブレーンドラ軍、ソラニア最終反抗軍レガディアとの戦闘に突入。
その第一戦闘、獲得駒数《スコア》6-5にてガブレーンドラ軍が勝利。
しかし、最終反抗軍レガディアも押されはしたが、ガブレーンドラ軍のリョウーワ卿及びハマナコレク卿を討ち取ることに成功。
そして両軍の再びの交叉、レガディア軍のリアスガ卿がガブレーンドラ軍の出足が一瞬鈍った隙を衝き、征服軍が将アカギリート卿を撃破。
征服軍は最高統率者《キング》を討ち取られ、完全敗北《チェックメイト》。
獲得駒数《スコア》0-1にてソラニア最終反抗軍レガディアの勝利。
これにより、ソラニア共和国にて巻き起こった戦いに、ついに終止符が打たれることとなった。
後日談。
最高統率者《キング》を失った征服軍ガブレーンドラ軍は直ちに、スマカリティア大陸へと撤退を開始。
アカギリート卿はソラニア征服を企てた中心人物でもあったことが後に発覚し、この事実から鑑みるに、ハナドーリニア決戦後のガブレーンドラ軍の速やかなる撤退も頷けるものであった。
ソラニア暦5年12月、『ソラグレン和平条約締結』。
紅き民《グレンリューナ》が長ドラゴラースよりソーラリオン3世へ、正式に和平条約の申し入れ。
ソーラリオン3世もこの申し入れを受諾し、両国の間に和平がなった。
アカギリート卿を討ったリアスガ卿は英雄《ブレード》と成り、シローナもまた誇り高き薔薇《ローズ》と成った。
この後、運命《デスティニア》が如何なる悲劇を用意しようとも、アルセスの民は決して屈しなかったという。
剣《ブレード》と薔薇《ローズ》。
アルセスの民は皆、その二つを、決して屈することのない力を手に入れたのだから・・・。
ソラニア戦記~クロニクル・オブ・ソラーニャー~ ―完―
注:物語の構成上、実際の戦いとはスコアの位置が変わっています。
PS:
そーすい。これで満足?(笑)
byそーらんす
流浪の民アルセスを迎え入れ、ソラニア共和国を建国。
王は民をよく想い、民もまた王を慕った。
穏やかな時が流れ、人々は安寧に浴した。
誰もが信じてやまなかった。この心安らかな日々が続くことを。
しかし、「時代の波」《ヒストリア》は必然、波乱《ハザード》を呼び寄せる。
平穏《ヒカリ》を犯せしは征服《ヤミ》の使者。
今、戦乱の火種《アロー》が放たれる・・・。
ソラニア暦5年の6月末、ブラチニアス大陸の東南に位置するスマカリティア大陸より紅き一団《グレンリューナ》襲来。
カナヤマステア領マサラニカ海岸地帯より上陸し侵攻を開始。
紅の民《グレンリューナ》が誇る侵攻精鋭軍ガブレーンドラ、ソラニア共和国三将軍が一人ワタゲニカ卿が率いる沿岸駐留軍と開戦。
ソラニア暦5年7月、『マサラニカの戦い』。
ガブレーンドラ軍がその圧倒的な機動性によりワタゲニカ沿岸駐留軍を圧倒。
戦乱の地を遊戯盤《ボード》に例えるなら、それはさながら駒取り合戦《チェスゲーム》。
ワタゲニカ沿岸駐留軍が辛くも1つの駒を刈り取れども、ガブレーンドラ軍は嘲笑うかのように6の駒を奪い去る。
6-1によりガブレーンドラは勝利の咆哮を上げ、ワタゲニカはそれを背に受け撤退。
ソラニア暦5年7月中旬、『トキワフォーレストの戦い』。
征服軍ガブレーンドラ、ソラニア共和国三将軍が一人ギャラド・スー卿の治めるカナヤマステア領トキワフォーレスト平原に到達。
ワタゲニカ卿の報告を受け、迎撃体勢を整えつつあったギャラド迎撃軍と開戦。
第一次戦闘、ガブレーンドラ軍が補給不良で出足が遅れていたギャラド迎撃軍に猛攻を仕掛け、獲得駒数《スコア》6-2にて勝利。
ギャラド迎撃軍、第二防衛線までの後退を余儀なくさせれる。
しかし、ギャラド迎撃軍の第二防衛ライン到達とともに補給・建直しが完了。
一夜明けて行われた第二次戦闘、絶え間ない進撃が疲労を呼び込み士気が低迷するガブレーンドラ軍に対し、ギャラド迎撃軍は高攻撃力による反抗戦を展開。
獲得駒数《スコア》4-6によりギャラド迎撃軍が勝利を納める。
これによりガブレーンドラ軍はトキワフォーレスト平原より撤退。
マサラニカまで駒を下げ、ソラニア共和国は束の間の平穏を手にした。
ソラニア暦5年8月、『ニビリアヌスの戦い』。
征服軍ガブレーンドラ、トキワフォーレストを迂回し古代都市ニビリアヌスに侵攻。
ニビリアヌスの背後にひかえるキツオーミ山脈を越えれば共和国首都ハナドリーニアが目と鼻の先という地勢から敗北は許されず、ソラニア側は三将軍が長ディアルガス率いる防衛主力部隊ガレディアを派遣。
しかしながら本国よりの補給を受け体勢を整えたガブレーンドラ軍もまた、その士気の高まりは留まることを知らず。
こと、ガブレーンドラ軍が筆頭アカギリート卿の勇躍は際立っていた。
紅き民《グレンリューナ》が崇める唯一神《エンテーイナス》の加護を一身に受けたかのように、アカギリート卿は誰をも寄せ付けず戦場を馳せる。
その姿、まさに破壊神《デストロイア》。
ソラニア共和国が誇る精鋭、その瞳《フェイト》に魅入られ牙《エッジ》にかかっていた。
獲得駒数《スコア》、6-3によりガブレーンドラ軍が勝利。
ガレディア軍、キツオーミ山脈への後退を余儀なくされる。
ソラニア暦5年8月中旬、『キツオーミ山脈の凶劇』。
防衛戦を下げつつあるガレディア軍本陣に夜半過ぎ、伝令が舞い込む。
ガブレーンドラ軍の侵攻ルート上に、原住民族ピッピス族の集落があり、ピッピス族に危険が及びつつあるとの知らせであった。
これを受けディアルガス卿はレント卿が率いる小隊の派遣を決断。
その主任務をピッピス族の避難援助とガブレーンドラ軍の足止めとした。
夜明け前、レント小隊、ピッピス族集落へと到達。
即座にピッピス族の避難を開始。
しかしながら、ピッピス族の避難完了を待たずガブレーンドラ軍到達。
ガブレーンドラ軍、ガブリス卿が率いる小隊を主力としてレント小隊及びピッピス族の殲滅戦を展開。
ピッピス族を庇い戦闘に集中できずにいるレント小隊を圧倒。結果、レント小隊全滅。
ピッピス族もまた壊滅的打撃を受ける。
獲得駒数《スコア》3-0により、ガブレーンドラ軍圧勝。
後に『キツオーミ山脈の凶劇』と呼ばれる出来事の顛末であった。
幕間。
『キツオーミ山脈の凶劇』の報を聞き、共和国首都ハナドリーニアの民は恐ろしさに打ち据えれつつあった。
「もう間もなく。あの山脈を越え、“怖ろしき征服軍”《シニガミ》がやってくる」
人々は、その運命に屈しつつあった。
しかし、その様な中でも諦めず、凛と咲きほこる乙女《ハナ》があった。
ソラニア共和国の長が一人娘、シローナ。
大公邸《カンファレンス》より彼女が人々に向けて投げかけた言葉は、運命に屈しつつあった人々に再び立ち上がる勇気を与えた。
「我ら、アルセスの民は、創造神の系譜を汲む民は、これほどまでにか弱き存在であったのでしょうか! アルセスの誇りは、異国の焔にまかれてしまう程度のものだったのでしょうか! ・・・私は知っています。アルセスの誇りは、何者にも負けない、至高のものであると・・・。 だから、私は最後まで諦めない!屈しない! 創造神アルセスの名に誓い、たとえ私一人になっても、アルセスの誇り《バラ》を掲げ続ける!」
少女の声《ヒカリ》は、人々の心を絶望《ヤミ》から解き放った。
そして・・・。
ソラニア暦5年9月、『ハナドリーニア決戦』。
征服軍ガブレーンドラ、共和国首都ハナドーリニアへと到達。
ガブレーンドラ軍の勢い、もはや天を衝くが如く。
ワタガニカ卿の率いる城砦防衛軍を獲得駒数《スコア》6-4で下し、さらに
ギャラド卿の市街防衛軍との三度にわたる戦闘も獲得駒数《スコア》1-0、1-0
、6-3で圧倒し共和国首都中枢部、大公邸《カンファレンス》へと到達。
ガブレーンドラ軍、ソラニア最終反抗軍レガディアとの戦闘に突入。
その第一戦闘、獲得駒数《スコア》6-5にてガブレーンドラ軍が勝利。
しかし、最終反抗軍レガディアも押されはしたが、ガブレーンドラ軍のリョウーワ卿及びハマナコレク卿を討ち取ることに成功。
そして両軍の再びの交叉、レガディア軍のリアスガ卿がガブレーンドラ軍の出足が一瞬鈍った隙を衝き、征服軍が将アカギリート卿を撃破。
征服軍は最高統率者《キング》を討ち取られ、完全敗北《チェックメイト》。
獲得駒数《スコア》0-1にてソラニア最終反抗軍レガディアの勝利。
これにより、ソラニア共和国にて巻き起こった戦いに、ついに終止符が打たれることとなった。
後日談。
最高統率者《キング》を失った征服軍ガブレーンドラ軍は直ちに、スマカリティア大陸へと撤退を開始。
アカギリート卿はソラニア征服を企てた中心人物でもあったことが後に発覚し、この事実から鑑みるに、ハナドーリニア決戦後のガブレーンドラ軍の速やかなる撤退も頷けるものであった。
ソラニア暦5年12月、『ソラグレン和平条約締結』。
紅き民《グレンリューナ》が長ドラゴラースよりソーラリオン3世へ、正式に和平条約の申し入れ。
ソーラリオン3世もこの申し入れを受諾し、両国の間に和平がなった。
アカギリート卿を討ったリアスガ卿は英雄《ブレード》と成り、シローナもまた誇り高き薔薇《ローズ》と成った。
この後、運命《デスティニア》が如何なる悲劇を用意しようとも、アルセスの民は決して屈しなかったという。
剣《ブレード》と薔薇《ローズ》。
アルセスの民は皆、その二つを、決して屈することのない力を手に入れたのだから・・・。
ソラニア戦記~クロニクル・オブ・ソラーニャー~ ―完―
注:物語の構成上、実際の戦いとはスコアの位置が変わっています。
PS:
そーすい。これで満足?(笑)
byそーらんす
コメント
木山能力:「じかんとさいのうのむだづかい」の最上級ですね。
まあ、非廚ニな大半の人は途中で挫折すると思いますが(笑)
限りある時間を浪費する…最高の贅沢だと思わないか?(何
とりあえず、満足いただけたようで良かったです(笑)